御機の二 天七代床神酒のアヤ⑤

                  ささけはとこよ
ゐのくちの すくなみかみの
たけかふに すすめがもみお
いるおみて みきつくりそめ
すすめけり ももひなぎより
ささなみと なおたまふより
なもささけ そのかみいまに
ささけやま ここのくみとは
やよいみか さかつきうめる
かみのなも ひながだけとぞ
たたゆなりける

酒の醸造はトコヨのヰノクチ(滋賀県今津町付近)におられたモモヒナミの母スクナミカミが開発されたものです。
ある時、雀が何かを竹の切り株に運んでいるのを不思議に思い観察しました。雀が運んでいたのは稲籾で、切り株には雨水が溜まっていました。
二カ月ほど経ったある日、それを思い出して覗いてみると稲籾は発酵して甘い香りを放っていました。その水を適量飲むと気分も体調も良くなり、健康が増進する薬効があるとわかりました。
スクナミカミは試行錯誤の上、その水を作り出す事に成功し、醸造方法を普及させるとともにモモヒナギ・モモヒナミの婚礼の祝いとして献上しました。

モモヒナギはスクナミカミからササナミという称え名を賜わり、その水はササケ(酒)と呼ばれるようになりました。スクナミカミがお住まいだったトコヨのヰノクチもササナミ(酒波)と呼ばれ離宮が建てられ、お亡くなりの後はササケ山(笹ヶ峰)に祀られました。

『三三九度』の儀式は三年後の三月三日にちなんでできた形式です。
盃は酒に写った逆さの月から名付けられました。
この名を付けられたウビチニは、ヒナガ岳(日野山)御神体として今日もお祀りされています。

儀式に使われた神酒の由来は雀が偶然作っていたところから発展していったとのことです。
酒や盃、猪口の由来までここから読み取れます。

以上で第2章終了です。
古事記では省かれている天神七代の詳細が書かれており非常に面白かったです。次の第三章は誰でも名前を聞いたことがあるアマテル大神、スサノヲのについての話に移っていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000