御機の二 天七代床神酒のアヤ①



このときに みこおしひとの
とつぎまえ たかぎがみきの
あやこえは かみのをしゑは
いにしえの あねつちうびの
きはなきに きさしわかるる
あうのめを をはあめとなり
つきとなる かみそのなかに
あれまして くにとこたちの
とこよくに やもやくたりの
みこうみて にそなのくにお
をさめしむ これくにきみの
はじめなり よつきのかみは
くにさつち さきりのみちお
うけされば さつちにおさむ
やみこかみ おのおのみこお
ゐたりうむ やものよつぎは
とよくんぬ あめよりみつの
わさおわけ きみとみたみの
みくたりの かみはもふその
みこありて あめなるみちは
めもあらす みつよをさまる

オシヒト(アマテル大御神の嫡子 オシホミミ)は師であり後見人でもあるタカギ神(第7代タカミムスビ・タカギネ)の本拠地ヒタカミ(日高見/東北地方)に赴き、タカノコフ(多賀国府/宮城県多賀城市付近)で「トツギ」をされました。トツギのを目前にしたある日、オシヒトはタカギネに『神酒(ミキ)アヤ』を講じて欲しいと要望しました。

「トツギ」とは、「婚礼」の意味と「トを継ぐ」という意味を掛けた言葉で、オシヒトはタカギネ娘タクハタチチ姫を娶ると同時に、アマテル大御神から『ミクサノミタカラ(三種の神宝)』を受けて即位した。

神が伝えてきた教えによると、大昔まだ天地も定まらない時、宇宙も無く、唯一アメノミヲヤカミ(天御祖神)だけが存在し、その回りに『ウビ』と呼ばれる渾沌が雲の様に漂っていました。
ある時、アメノミヲヤカミが息を大きく吐くと『ウビ』が動いて渦が巻き始めました。これがビッグバン=宇宙の創設です。

渦の中心は『アメノミハシラ(天の御柱)』となり、陽極と陰極に分かれて分離集合の運動が起こりました。
軽い物資は陽極に集まり、天空と太陽を生み、思い物資は陰極に集まり地球と月が生まれました。 

そこに神が出現しました。

最初に出現した神はクニトコタチと申し上げます。日本に初めて国家体制をもたらした神で、初代『天神(あまかみ)』と呼ばれ、国の名は『トコヨクニ(常世国)』と言いました。

クニトコタチには、ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メの八人の皇子があり、各々を八方に降ろしてそれぞれのクニ(州)を治めさせました。これが『クニキミ(州君)の起こりです。
したがって常世国は八つの州から成ったのですが、人口が増えるに従ってその中に邦ができていきました。
この八皇子の中から本来なら一人の統治者が選ばれるのですが、誰もが遠慮して譲り合ったのでやむなく分治の形を取りました。
だから八人を総称して『クニサツチ(国挟槌尊)』と申し上げ、第2代天神に位置付けるのです。

最初は「ヱ」が議長の様な立場にあったが後に「ト」が八皇子の代表になりました。
アメノミヲヤは地球を生命の星にするため天地自然の運行を管理する事により一年を四季に分け、生命維持の環境を整えられました。この作業を『サキリの道』と言い、「ヱ」にその役割を与えたのですが仕事量が多すぎてこなせず、八皇子が輪番制で受け持つことになりました。これを「サツチに治む」と表現します。

この八皇子はそれぞれ五人ずつ皇子を生み、それぞれ嫡子に政権を譲り第三代天神トヨクンヌの時代に移ります。
天神一族の人数が次第に増えて分治が困難になったので、全体を統率する一人の『君(キミ)』とそれを補佐する八人の『臣(トミ)』、そして国政に参加しない『民(タミ)」の三回層に分ける事になりました。
この『君』に選ばれたのが「ト」のクニサツチの皇子でトヨクンヌと言えばこの皇子を指す様になりました。

クニトコタチの曾孫に当たる御子は百二十人にもなり繁栄を遂げトヨクンヌの治世まで政は男性が行い順調に発展していきました。

第一章の最初もそうですが舞台が東北地方であることに驚きます。
古事記からでは中心は近畿辺りのイメージしか無かったので。

さて第2章の始まりは、古事記でもある天地創造の場面から始まりました。
アメノミヲヤカミとは天之御中主神ですね。陽極と陰極の二つの渦に集まる物資、これがオシテ文字の母音になる5つの元素だと聞きました。

陽極:軽い物資
うつほ・かぜ・ほ
陰極:重い物資
みつ・はに

陰陽の概念は紀元前6世紀に生まれた道教の流れが266年晋に派遣された使者を介して広まったものだと思ってましたが元々あったのでしょうか。
銅鐸が消え前方後円墳が作られる理由となったのがこの道教〜陰陽道だと思っていたので、もしホツマツタヱがそれ以前のものだと銅鐸の存在理由がまたわからなくなってきました。
ん〜真実は闇の中ですね。

クニトコタチから続く神代七代の記述は古事記でもありますね。
ただ古事記では七代目のイサナギ・イサナミが八つの州を作る「国生み」を行いますが、ホツマツタヱではクニトコタチ〜クニサツチの時代にすでに八つの州が存在しています。

クニサツチの八皇子が現在の八王子の地名に繋がっているなんて話もあって色々面白いです。
古事記ではサラッと端折られている天神七代の詳細。3代トヨクンヌから残りの7代目イサナギ・イサナミまでどんな物語なのか楽しみです。

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