御機の初 東西の名と穂虫去るアヤ⑤

あめぬれて そのおしくさは
ぬばたまの はなはほのほの
からすばの あかきはひので
ひあふぎの いたもてつくる
あふぎして くにもりをさむ
をしゑくさ からすあふぎは
そふはなり ひあふきのはは
みなはらう あわのよそやぞ
またみそふ みちなわすれそ

ヌバタマはヒアフギやカラスアフギと呼ばれるアヤメ科の多年生植物です。
その葉は扇の要部分の様に茎を中心に左右対象に重なり合って出ます。
花はほのぼのとした紫色の花弁で、実は赤く四つに割れて中から真っ黒の種が顔を覗かせます。
古来ヌバタマには災厄を祓う呪力があると言われており、種は夜、花は夜明け、結実は日の出を象徴し、その実は太陽の様に真っ赤に染まり、熟し切ると色褪せて中に夜を宿す様になります。
桧扇は桧の板を削って作った扇の事です。ヌバタマが葉を広げた形状が桧扇に似ているので、同じ名前で呼ばれる事もあります。
そして桧扇もヌバタマの葉の数と同じ十二枚で作り、同じ呪力を持つとされました。
それなので国を治める者は桧扇に太陽の図柄を入れて(日扇)持ち歩き、それで扇げばまが事を祓い天が晴れる(アッパレ)と言い伝えられています。
桧扇の十二枚が持つ呪力にアワ歌の四十八音が持つ言霊の力を合わせると、威力が倍増します。
そしてその言霊の力を引き出すのは三十二音のワカの歌なのです。
いつの世にあってもこの三十二音の和歌の道を全ての日本人が心に留めて欲しいものです。

はなきねは ゐなにつつるお
あねにとふ あねのこたえは
あわのふし またとふはらひ
みそふなり いまみそひとは
このをしゑ あめのめくりの
みむそゐゑ よつみつわけて
みそひなり つきはおくれて
みそたらず まことみそひぞ
しかれとも あとさきかかり
みそふかも あるまうかがふ
をゑものお はらふはうたの
こゑあまる しきしまのゑに
ひとうまれ みしひかにさす
めはみそふ うたのかずもて
わにこたふ これしきしまの
わかのみちかな

ハナキネは姉のワカ姫に文書や歌をなぜ五・七で綴るのか問いました。
ワカ姫は「五七調が日本語固有のリズムにピッタリ合うからよ。」と簡潔に答えます。
するとハナキネは質問を続け「祓いの歌は三十二音なのに、今三十一音の歌が多く詠まれるのはなぜか?」と問いました。ワカ姫は今度は懇切丁寧に答えました。
地球の公転周期は三百六十五日余りです。これを春夏秋冬の四季に分け、さらに三つずつ分けると平均して三十一日弱です。
月も公転しているので地球から見ると太陽の運行より遅れて見えます。
月の満ち欠け周期は三十日足らずですから、三百八十四日ほどで太陽より一周遅れます。
この日数を同様に四つ、三つに分けると三十二日になります。
この一日の差が太陽と月の運行の差です。特に女性のリズムは月の運行から受ける支配が強く、この一日の間際に汚穢物(オエモノ)が入り込もうと狙っているのです。
この汚穢物を祓う歌は三十二音で「声が余る」のです。
この地球上の日本の国に生まれ、みな太陽の運行に従って三十一日周期のリズムで生きているのですが、女性特有のリズムは三十二日周期です。
お宮参りの日を男性は三十一日目、女性は三十二日目とするのは、このリズムに従っているのです。
そして女性は三十二音の歌をもって穢を祓い、地球を取り巻く天体の回転運動に適応しているのです。

一章最後は穢を祓う三十二音の歌の説明です。なにやら壮大な話になってきました。
この時代に天体の公転周期が分かっていたという事も驚きです。
唐突にワカ姫の弟ハナキネが出てきましたが、このハナキネとは、ソサノヲであると書かれています。

ちょっと古事記と合わせておさらい
イサナギ・イサナミの子は
ワカ姫(水蛭子・ヒルコ)
アマテル大御神・ワカヒト(天照大御神)
モチキネ(月読命)
ハナキネ(建速須佐之男命)
の一女三男となってます。

ここで大問題発生ですね。
アマテル大御神が男性となっています。古事記・日本書紀では女性となってましたが、、、
ホツマツタヱが記紀より昔からあった説が本当であれば、記紀でワカ姫とアマテル大御神の混同があったのか、敢えて女性に置き換えたのか。
わかりませんが諸説色々あるのが歴史の面白さと思って読み進めます。

穢を祓う三十二音の歌
現代でも国歌として歌われていますね。学校の式典やスポーツの大会とかでも子供時代歌っていましたが、こういった意味合いで歌っていたのかと思うとそこに臨む気持ちも変わっていたでしょうね。

以上第1章でした。
こんな感じであと39章ありますw

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