御機の六 日の神十二妃のアヤ⑤

      つきよみのつま
いよつひめ うむもちたかは
いふきぬし さくにたらちを
はまきねは ねのくにさほこ
しらすべし いまだひること
みくまのの とみがたすけて
のちのきみ なちのわかみこ
ぬかたたよ いさなみまつる
くまのかみ しこめがしゐお
からすかみ まつれはくろき
とりむれて からすとなつく
いさなぎは あつしれたまふ
ここおもて あわちのみやに
かくれます ことはおわれと
いきおひは あめにのほりて
をおかゑす あひわかみやに
ととまりて やみおたします
たがのかみ やまとやすみや
ひきうつし あめやすがわの
ひるこひめ みこおしひとお
ひたします ねとさほこくに
かねをさむ したてるひめと
あちひこと いせおむすひて
もろともに ここにをさめて
うむみこは いむなしつひこ
たちからおかな

先にフタナ(四国)の混乱を鎮めたツキヨミは、その後も外の宮で四国地方の統治を続け、妻のイヨツ姫(イヨツヒコの娘と思われる)との間にイフキドヌシ(斎名モチタカ)が生まれました。

それより前、父イサナギからネ州のサホコ邦を統治するよう命ぜられていた三男のソサノヲは、未だ邦を統治する器量が具わらず、姉のワカ姫と出身地ミクマノの臣達が君としての資質を身につけさせるため、懸命な努力を注いでいました。

若くして那智に籠ったワカヒトの末子ヌカタダは、祖母イサナミを熊野神としてお祀りし、「クマノクスヒ」と称え名を与えられました。熊野神の祭祀を通じてヌカタダは、祖母イサナギが開いた悟りの境地に達しました。
その境地とは、生命の本質は魂であり、生きとし生けるものはアメノミヲヤカミから魂にシキと肉体を縫い合わせて地上に遣わされるのです。この世での生を終えると、肉体は滅びシキが分離して、身軽になった魂は天にかえります。
地上に残されたシキは醜女によって枯らされます。シキを枯らす役目を負っている醜女は、カラス神と呼ばれています。天上に昇った魂は、時を経て再びアメノミヲヤカミから遣わされて転生するのです。これが「往き来の道」の原理です。
ヌカタダがこの原理を悟った時、黒い鳥が群れ騒ぎました、これを見てヌカタダはこの鳥を醜女の遣いであると確信し、カラスと名付けました。

さて、ワカヒトの治世を見守っていたイサナギは、いよいよ年老いて「アワジの宮」でお亡くなりになりました。
生涯を捧げて取り組まれた国家の再建が成り、この世における役割は充分に果たしたにもかかわらず、国造りへの思いは尽きることもなく、天に昇った後も魂の緒を地上にお返しになりました。その魂の緒は「アヒ若宮」(多賀大社)に留まってガ(闇)をタ(治)され、死後のイサナギは「タガの神」と呼ばれたのです。
この世のあらゆる事象は目に見える光の部分と、目に見えない闇の部分です。人に関して言えば、姿形や行動が光の部分であり、心の内が闇の部分です。
イサナギは「足引き」の体験から悟りを開かれました。万物はアメノミヲヤカミが創造された自然の摂理の中で生かされており、往き来の道に従って転生を繰り返すと言う原理です。

この事を国民全員に知って欲しい。イサナギの思いは天日神となった皇子ワカヒトに受け継がれ、ワカヒトは後に「ト矛」に「鏡」を加え、三種の神宝とされる事になります。


また、オモイカネの命と結婚してアメヤス川の「ヤマトヤス宮」にお住まいだったワカ姫はワカヒトの日嗣の皇子オシヒトを養育するため「アヒ若宮」に移られ「シタテル姫」の称え名を授かり、オモイカネと共にこの宮をイサワの宮の出先機関としてネ邦とサホコ邦を兼ねて治められました。
このご夫婦の御子が、斎名シツヒコ、後のタチカラヲです。



更新再開してやっと六アヤまで終わりましたが、転職して2日連続、日をまたぎそうなくらい忙しい!

また更新滞ったらごめんなさい!

うつほ唄

のんびり更新中

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